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冬場の湿度不足には要注意! 頭皮の乾燥は抜け毛や薄毛を招く?

冬

冬は季節的に空気が乾燥します。皮膚トラブルが多くなったり、頭皮の乾燥が抜け毛を増やすなんてことも少なくありません。「季節的なものだから…」と油断していると、いつの間にか予想以上に薄毛が進行してしまい、後々大きなお悩みになってしまう可能性もあります。

当コラムでは「お肌の水分(保湿成分)はどのようにキープされているのか」、また「空気の乾燥による影響はどのように対処すればよいのか」といった点に関して、いくつかのアイデアを交えてご紹介いたします。


頭皮の「乾燥」は薄毛や抜け毛の要因に!?

乾燥

冬場は外の空気が乾燥しているため、お肌が潤いを失いやすくなっています。乾燥が進むとお肌が部分的に痒くなるようなケースもあると思いますが、これは表皮の最も外側にある「角質層」が蓄えている水分(保湿成分)が不足してきているためです。


保湿成分の蒸散は、バリア機能の低下をもたらす…

お肌の保湿成分が足りていない状態は、外部刺激に対する「バリア機能の低下」を意味します。潤いが失われると紫外線などの刺激にも弱くなってしまい、シミやくすみができやすい肌環境になってしまいます。人によっては衣類の繊維やほこりなどにも過敏になってしまうことがあり、これが痒みなどの不快感をもたらすことに繋がります。

また、冬場の湿度不足は「頭皮の乾燥」にも繋がります。水が枯渇した枯れた大地をイメージしていただければわかりますが、頭皮上でも潤いは非常に重要で、乾燥が常態化してくると「抜け毛」や「薄毛」が起こりやすい頭皮環境になってしまいます。


【保湿】僅か0.02mmの「角質層」が持っている重要な働き

角質層

私たちの皮膚は外から順に「表皮」、「真皮」、「皮下組織」の3層構造になっています。普段生活の中でこのような作りを意識することはないと思いますが、この最も外側にある「表皮」は全体で0.2mm程度の厚さだと言われています。

よく耳にする「お肌のターンオーバー」は、この非常に小さな世界の表皮上で行なわれているもので、「基底層」から「有棘層(ゆうきょくそう)」、そして「顆粒層(かりゅうそう)」から「角質層」へと古い細胞が押し出されていって生まれ変わるプロセスを指します。

さて、この表皮の最も外側にある「角質層」ですが、実はここに水分を蓄えておく3つの機能が備わっています。


1.天然保湿因子(Natural Moisturizing Factor)

僅か0.02mmの厚みと言われている「角質層」の内部にはアミノ酸をベースに作られる「天然保湿因子(Natural Moisturizing Factor=NMF)」が存在しています。

赤ちゃんのお肌がみずみずしいのはこの「天然保湿因子」の多さが理由となっており、角質細胞内での保湿成分の中心的な役割を担っています。


2.細胞間脂質

角質細胞と角質細胞の間にはセラミドやコレステロール、遊離脂肪酸などの成分を含む「細胞間脂質」が存在しています。

これは「天然保湿因子(NMF)」を保持している角質細胞同士をつないで安定させる役割を担っています。


3.皮脂膜

角質層そのものというよりも、角質層の外側の私たちが触ることのできる皮膚表面は「皮脂膜」で覆われています。これは、皮脂腺から分泌される皮脂が油膜のような形で全体をコーティングしているもので、角質層が持つ保湿成分が損なわれにくいような構造になっています。

何度か当サイト内で「皮脂を奪いすぎるのは良くない」と説明しておりますが、このような外部コーティングがあることで潤いがキープされているという側面があります。

過剰なシャンプーなどで自らガードを下げてしまうと、頭皮上の角質層が持つ保湿成分が簡単に蒸散してしまい、細菌にとって繁殖しやすい頭皮環境になったり「抜け毛」や「薄毛」が加速しやすい状況を自ら作り上げるということになってしまいます。


冬場の「乾燥」対策 おススメしたい3つの抜け毛予防

抜け毛予防

秋や冬に湿度が低下して空気が乾燥してしまうのは仕方がありません。外気の乾き自体をコントロールすることはできませんが、乾燥は頭皮にとっても良くないものですので、できる対策について考えてみましょう。


1. 加湿器で湿度自体をコントロールする

秋や冬の乾燥を最も簡単に解決する方法は「加湿器」を使用するものです。もちろん外にいるときは加湿することができませんので、あくまでも自宅にいるときにできる限られた対処法になります。自宅で過ごす時間が長い人ほど効果を発揮します。

加湿器にも色々な種類がございますが、比較的手ごろな価格で購入できますので季節対策として一つご用意いただければ良いかと思います。特に肌が敏感な傾向にある人にはおススメします。


2. 乾燥しやすいシャンプーは避ける

低価格帯のシャンプーに使用されている界面活性剤には、必要以上の洗浄力が備わっています。石油系や高級アルコール系の界面活性剤がこれで、1日1度のシャンプーでも皮脂を奪いすぎてしまう傾向があります。

これは特に季節に限らずご案内したい内容になりますが、まず「1日1回以上のシャンプーは行なわないこと」、そして「ヘアワックスなどを使用する場合にはこのルールに沿った使用を考えること」、さらには可能であれば「アミノ酸や植物由来のシャンプーを選び使用すること」をご検討いただきたいと思います。

既にご説明したように、頭皮上に分泌される皮脂も一定程度は必要な成分になりますので、頭皮が乾燥しやすいという場合は「湯シャン」なども取り入れてみてはいかがでしょうか。


3. 頭皮ローションで保湿成分を補う

フケや痒み、乾燥を防ぐような「頭皮ローション」は様々な種類販売されています。「フケじゃなくて乾燥に悩んでいるんだけど…」と思うケースもあるかもしれませんが、フケをもたらしているものが頭皮上の乾燥である可能性は十分に考えられます。

自分に合ったものを見つけ出すのには少し時間がかかるかもしれませんが、評判の良いものを手にしながら自分の頭皮環境に馴染むものをうまく選び出してください。皮脂の分泌量は男性と女性で異なりますので、男性は男性向けの…女性は女性向けの頭皮ローションをご選択ください。


抜け毛や薄毛症状が顕著な場合は、迷わずご相談を!

女性の薄毛

「男性型脱毛症(AGA)」と呼ばれる薄毛症状は、本質的に遺伝傾向によって発現します。季節的な乾燥といった外的要因がもたらすものはごく僅かなもので、根っこの部分で「ジヒドロテストステロン(DHT)」と呼ばれる悪玉男性ホルモンがヘアサイクルを乱してしまっているのが原因です。

このような場合、表面的に生活習慣を整えてみても症状が緩和することは稀で、時間経過とともに着実に薄毛が進行していくのが一般的です。近年では医学的にエビデンスの取れた「AGA内服薬」がございますので、気になり始めたという男性はお早めにご相談ください。

女性に起こりがちな「全体的な髪のボリューム低下」、もしくは「分け目部分の薄毛化」は、近年「女性男性型脱毛症(FAGA)」と言われたり、「びまん性脱毛症」と診断されるものです。こちらは、年齢による「女性ホルモンの減少」やこれに加えた遺伝傾向が影響している場合があります。

いずれにしても、専門家によるアドバイスが最適なものであり、ご自身の力ではなかなかコントロールできないのが実情です。


「無料カウンセリング」実施中

当院では、男性だけでなく女性も含めた薄毛治療を医療機関として専門的に実施しています。お悩み相談からアドバイスまでは無料にてお受けいただけますので、ぜひお気軽に「無料カウンセリング」にお越しください。皆さまのご相談をお待ちしています。