コラム

知識

発毛剤と育毛剤って何が違う?どっちが強力?効果の違いと注意点

育毛剤

抜け毛が気になり始めて髪に良いことをしようと考えるとき、真っ先に思いつくのが「発毛剤」や「育毛剤」ではないでしょうか。ところが、よくよく考えると、両者の違いが今一つはっきりしない…なんてことはありませんか?

「発毛させるのだから発毛剤のほうが強力!」「毛を育てる方が良いに決まっている!」等々…、個人の捉え方や印象によって手にする商品が違ってくるかもしれません。何度か購入していくうちに違いについてわかってくるのが一般的ですが、どうせなら無駄なく最短距離で効果を手にしたいですよね。当コラムで発毛剤と育毛剤の違いについて整理し、副作用リスクの有無などについてもご紹介します。


「発毛剤」と「育毛剤」の違いのポイント

ポイント

「発毛剤」と「育毛剤」に関しては、その製品を製造している会社が企業的なポリシーに基づいて好きな方の名前を選んでいる…というわけではありません。製品として登場する以前に使用目的が明確に設定されており、その用途に基づいた製造が行なわれています。端的に言うと、一方は治療を目的とした「医薬品」であり、もう一方は健康維持を見据えた「医薬部外品」という分類になります。


「発毛剤」は抜け毛や薄毛の治療、「育毛剤」は頭皮環境の健康促進

両者の違いをわかりやすくまとめてみました。まずはこちらをご覧ください。

「発毛剤」と「育毛剤」の違い

発毛剤

薄毛症状や抜け毛症状の治療のために作られている「医薬品」で、毛髪が生えるように促すもの
(血管拡張作用のある「薬用成分」が含まれており、その効果によって発毛作用が期待できるもの)
※副作用リスクが少なからず存在する

育毛剤

「医薬部外品」というカテゴリーに属し、頭皮環境を健康に保てるように促すもの
(頭皮を清潔に保ち、抜け毛が増えてしまう要因を緩和するもの)
※副作用リスクは限りなくゼロに近い

上記のように、発毛剤は医薬品に分類されるため、治療を目的とした製品になっています。具体的に抜け毛や薄毛の症状を患っている患者さまや、それらに強いご不安をお持ちの場合に使用すべきもので、発毛に関する「薬用成分(=ミノキシジル)」が一定量配合されています。このため、薬剤の影響により副作用の可能性が少なからずあるということになります。

一方の育毛剤については、具体的な薄毛患者さまでなくても頭皮環境を気遣う方々が広くご使用いただけるものになっています。頭皮への栄養供給や血行促進によって髪にハリやコシが出るように促し、抜け毛などが起こりにくい頭皮環境を作ろうというものになります。ただし、あくまでも「医薬部外品」になりますので、発毛を促す具体的な「薬用成分(=ミノキシジル)」は配合されていません。

肌に合わないといった肌トラブルが出てしまうケースはあるものの、育毛剤そのものが何かしらの副作用をもたらすという可能性は限りなく少ないと判断できます。このようなことから、毛髪が生えるかどうかにこだわって言えば「発毛剤」の方が「育毛剤」よりも強力だと結論付けることができます。


発毛剤の薬用成分「ミノキシジル」はどんなもの?

ドクター

ミノキシジルは、当院のような薄毛治療専門のクリニックでも処方されることのある「AGA治療薬」の一つです。既に少しご紹介しましたように、お薬の効果としては「血管拡張作用」があります。これは元々薄毛治療のために開発されたものではなく血圧を下げる「降圧剤」として開発されたものなので、お薬を服用した場合「血管が広がり血流が良くなること」に疑いの余地はありません。

「発毛剤」として頭皮に塗布した場合も、方向性としては同様の効果が期待できます(ただし配合量はかなり少ないです)。「血行が良くなること」と「髪の毛が生えてくること」の間には少なからず隔たりがあるのでは?と思う方もおられるかもしれません。これは確かにその通りなのですが、毛根は頭皮上の毛細血管からの栄養供給を受けているという事実もございます。

血流が滞ってしまえば、毛母細胞を分裂させて髪を上に押し上げる以前に「エネルギー源」としての栄養素が確保できないため、髪が育ちにくくなるという影響が生じます。このため、「血流を良くすること」は「髪を育てる」という意味で大きな役割を担っているのです。


ミノキシジルの副作用は?

ミノキシジルについては、血管拡張作用に伴う副作用がございます。血管を広げることで血圧が下がることは容易に想像できると思いますが、血流が良くなることで動悸や頭痛、人によっては抑うつ感などが出る可能性がございます。また、育毛剤と同様に頭皮への塗布に絡んで発疹などの皮膚トラブルが生じる可能性もあります。

「ミノキシジル」の副作用

  • 頭痛、めまい、動悸、意識が遠のく、息切れ
  • 血圧低下、心拍の増加、胸の痛み、手足のむくみ
  • 皮膚トラブル、湿疹、かゆみなど

「発毛剤」レベルでのミノキシジルの副作用はかなり限定的…

ミノキシジルは血流を上げる効果のある薬剤ですので、可能性として副作用のリスクがございます。ただし、日本国内で市販されている発毛剤に関しては、ミノキシジルの配合濃度が最大で「5%」になっています(配合比が1%のものもございます)。

この関係で、発毛剤を通してミノキシジルの副作用が生じることはかなり限定的です。可能性としてはゼロではございませんが、発毛剤自体がそれほど強い影響力を持っているものではありませんので、過度に神経質になる必要まではないと思います。薄毛症状に悩む場合には一度試してみて、「あまり効果がないな…」と感じた場合には当院のような薄毛治療専門のクリニックに足を運んでいただければと思います。


AGA治療では、遺伝的要因を回避するお薬の方が重要!?

お薬

「ミノキシジル」は血管拡張作用のあるお薬ですので、血流改善を通した発毛が期待できます。「発毛剤」では配合比が少ないために効果が限定的になってしまいますが、専門のクリニックなどで処方された内服薬を用いた場合はより明確な血流改善が期待できます。ただし、薄毛症状は「遺伝的な要因」が影響しているケースが大半です。

具体的には「ジヒドロテストステロン(DHT)」という悪玉男性ホルモンが前頭部や頭頂部で産出されやすいかどうか、また産出されたDHTをどの程度効率よくキャッチしてしまうかといったアンドロゲンレセプターの感受性の高さも影響してきます。

ジヒドロテストステロン(DHT)ができやすい体質であることと、アンドロゲンレセプターの感度が良いという遺伝的素因をお持ちの場合、どれだけ血流が良くても髪が生えにくいという状況が持続してしまいます。つまり、「ミノキシジル」に期待できる発毛力は人によっては初めから限定的だという状況が起こり得ます。


悪玉男性ホルモンの「DHT」自体を産出させにくくするお薬がある!

「男性型脱毛症(AGA)」のように薄毛症状において遺伝的要因が強く疑われる場合は、まずその遺伝的要因を抑制すべく、別のAGA治療薬「プロペシア」を用いることが多くなっています。プロペシアと呼ばれるお薬に含まれる「フィナステリド」という成分について言えば、DHTの産出を抑制する効果があることがわかっています。

DHTは元々善玉の男性ホルモン「テストステロン」が変化してしまったものであり、「5αリダクターゼ」と呼ばれる還元酵素と結びつくことで産出されるものとなっています。遺伝的にDHTが作られやすい体質の人は血流を改善しても薄毛症状が回避しにくいため、まずはDHTの産出量を抑制するお薬「プロペシア」を用いることが有効なのです。

また、「フィナステリド」の効果を受けてジヒドロテストステロン(DHT)が減少していった頭皮環境においては、「ミノキシジル」の血管拡張作用が遺憾なく発揮されます。生えるべきタイミングのヘアサイクルを乱しているのはDHTに他なりませんので、これを封じてしまえば血流改善効果が顕著に現れ、しっかりと発毛力を取り戻せるケースが多くなるのです。

このため、当院では「プロペシア」と「ミノキシジル」を併せるダブル服用をおススメすることが多くなっています(個々の患者さまの症状を診ながら最善のものをご提案させていただいております)。


お気軽に無料カウンセリングへ

抜け毛や薄毛お悩みへの最初の対策は、当コラムでご紹介したような「発毛剤」や「育毛剤」だと思います。これらで効果が出れば言うことはないのですが、実際には医薬品の「発毛剤」であっても効果が限定的で、結局は「あまり効かない…」という事実に時間をかけて辿り着くことが多くなっています。

昨今、CMでも耳にすることがあるように「AGAは進行性の脱毛症」です。のんびりと色んな対処法を試している間にも薄毛症状は進行していってしまう可能性が高くなっています。「薄毛が顕著になってからでは効かない…」というものではありませんが、やはり治療が遅れればカバーできる範囲にも影響が生じます。

当院では随時「無料カウンセリング」をご提供しておりますので、適切なソリューションをお求めの患者さまはお気軽にご相談にいらしてください。皆さまのご来院をお待ちしております。