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帽子を被るとハゲるって本当?帽子がもたらす薄毛への影響

帽子

薄毛を気にかけている方の中には「帽子を被っていると髪に良くないのかな?」とお感じの方もおられるかもしれません。

帽子を被っているからといって、髪(ケラチン)が作られなくなることはなさそうですが、なんだか間接的に薄毛化を助長しそうな印象も懸念されます。実際のところはどうなのか…。

帽子と薄毛の関係について考えてみたいと思います。


「帽子」は毛髪の薄毛化に拍車を掛けるの?良くない影響とは…

細菌

結論を先にお伝えしますと、「帽子を被っていることによってハゲてしまう」ということはありませんが、たとえば野球選手のように帽子がライフスタイルの中で大きなアイテムになっている場合には「少し髪が育ちにくくなる可能性」や「抜け毛が増えてしまう可能性」があるということになります。

その理由についてご説明いたします。


1.ムレによる細菌の繁殖

帽子を被り続けると、外気温に対して頭皮上の温度が上がります。また、帽子の中はムレやすいため湿度も同様に上がります。この際に歩行や運動などが加わると、さらに頭皮上に熱や湿気がこもりやすくなります。

このような反応は、皮膚上の常在菌を含めニキビの原因となっているアクネ菌などが繁殖しやすい環境を作り上げます。

実際に「ヘルメットを用いた実験」では、食品製造ラインなどで手や指の汚れ検査で不合格となる数値以上の汚れが確認されたという報告もあります。

ヘルメットと帽子では多少条件が異なるかもしれませんが、ニットの帽子なども含めると帽子の方がムレを招く可能性も否定できません。


頭皮上の細菌の繁殖から別の脱毛症に発展するケースも!?

頭皮上で細菌が繁殖すると、髪の発育にもマイナスの影響が生じやすくなります。たとえば、マラセチア菌というカビが繁殖すると「脂漏性皮膚炎」を発症するリスクが上がり、ここから「脂漏性脱毛症」に発展するケースもあります。

このように、帽子を長時間被っていると頭皮上で増えた細菌が薄毛化に拍車を掛けてしまう可能性もありますので、帽子を被ってお出かけするということであれば、帰宅後しっかりと洗髪する意識をお持ちいただきたいと思います(防止自体の洗濯も大切です)。


2.締め付けによる血行不良

帽子の種類やフィット感などにもよりますが、密着度が強いタイプやサイズが少し小さなキャップを着用していると、頭皮への血流に悪影響が生じます。髪の毛根は「毛細血管」というかなり細いルートを通して栄養素を受け取っていますので、頭皮の締め付けや圧着などは行なわないに越したことはありません。

頭皮上の血流は健やかな髪の発育には欠かせないもので、実際にAGA治療薬の中にも「ミノキシジル」と呼ばれる血管拡張作用を主体としたお薬がございます(一部の発毛剤にも成分として含まれていることがあります)。

「帽子の着用でどれだけ血流が悪くなるのか?」と考えると多少疑問も残りますが、着用するかしないかで比較すると僅かでも血の巡りに影響は生じます。

たとえば若者の中には、教室の中で授業中に帽子を取らないといった「ファッションへのこだわり」が見られるケースもありますが、視点を変えると自ら頭皮への血流を阻害しているという見方も成り立ちます。

薄毛を気にかけているという男性の場合には、不必要に長時間帽子を着用し続けない方が良いと言えるでしょう。


3.通気性の悪さがもたらす皮脂や汚れの蓄積(毛穴の詰まり)

細菌の繁殖とも関係していますが、頭皮がムレて汗や汚れがこもったままになると毛穴に皮脂や汚れが詰まりやすくなってしまいます。

「皮脂」は頭皮においては乾燥を防ぎ、外部刺激へのバリアー機能を維持する役割があります。これは多すぎても少なすぎても良くないものです。皮脂が増えて酸化し汚れとなって毛穴に詰まってくると、髪の毛1本1本の土壌(毛根)が弱くなり、髪も育ちにくくなってしまいます。

もちろん、頭皮上の汚れは入浴や洗髪によって回復していただくことができますが、帽子の着用が日常的になっている男性で時には入浴しないまま寝てしまうということもあるはずです。

このような小さなヘアケア不足の積み重ねは、間接的に薄毛化を助長してしまう可能性もございますので、帽子を着用する際には少し頭の片隅に置いておくと良いでしょう。


「薄毛を隠すための帽子」は負のスパイラルになる可能性も!?

日差し

人によっては「薄毛だから帽子でごまかす…」という場合があるかもしれません。

たとえばお出かけの日にファッションアイテムとして帽子を活用するくらいであれば何の問題もありませんが、「帽子を被って薄毛を隠す」という外出スタイルが定着してしまうと、上述のような理由から少なからず逆効果になってしまいます。

もちろん、熱中症などが懸念される日差しの強い夏の日には、安全面からも帽子の着用が推奨されます。ですが、その際も使用する帽子は清潔に保っていただき、帰宅後もそのままお風呂に入らずに寝てしまうようなことは避け、より丁寧な洗髪を心掛けることが大切です。

帽子の活用法は人それぞれですが、帽子使用に関して意識しておいた方が良い点をここで整理しておきましょう。

賢い帽子との付き合いかた

  • 夏の強い日差しなど、安全面への影響以外の場面では、無駄に長時間帽子を被り続けないように意識する
  • 帽子を着用して外出した際は、ヘアワックスなどを付けて外出したときと同様に帰宅後はしっかりと髪や頭皮を洗う(そのまま寝てしまうのはNG)
  • 帽子にも汚れや菌が付着するので、手洗いや洗濯ネットに入れて優しく洗うなど、適度なメンテナンスを心掛ける

クリニックの「AGA治療」で帽子で髪を隠す生活との決別を!

薄毛のお悩みは、当人にとっては大きな問題です。ですが、「恥ずかしいから隠す…」というスタイルではやはり下向きの人生になってしまいます。

AGAはお薬の力で大きく緩和させることが可能なもので、患者さまによっては発毛力が回復してくるケースもございます。

処方させていただく治療薬は医学的エビデンスの取れたものになりますので、淡い期待を寄せる育毛剤などとは根本的に異なります。

随時「無料カウンセリング」を実施していますので、お気軽にご相談ください。