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冬は静電気に要注意! 髪に生じる静電気の発生メカニズムと回避策

静電気

髪が長い女性ほど、冬場に発生する静電気にストレスを感じるケースが多いと思います。ところが、静電気に不満を抱えている女性であっても、静電気が発生する仕組みについては正しく理解していないケースが多いのではないでしょうか。当コラムでは静電気の発生メカニズムをわかりやすく解説し、髪に生じる静電気対策や、乾燥しがちな髪に潜む薄毛化リスクについてもご紹介します。


静電気が発生する仕組み どうしてバチっとくるの?

電流

静電気は、「プラスとマイナスの電気が量的に安定していないもの」の間で発生します。あらゆるものにはプラスの電気が一つ、マイナスの電気が一つのような形でそれぞれ同じだけの電気が備わっているのですが、これは常に安定しているわけではなく、モノとモノとの「衝突」を通してマイナスの電気が物質Aから物質Bへと移動してしまうようなことがあります。

プラスの電気が一つ、マイナスの電気が一つで安定している状態は「電気的に中性」と言われますが、逆にプラスが一つでマイナスが奪われてしまった状態、あるいはプラスが一つでマイナスが二つになってしまっている状態を「帯電している」と表現し、この帯電したバランスの崩れた状態がまだ移動を起こしていない「静電気」の正体になります(移動するきっかけをうかがっている状態です)。このように電気的にバランスの崩れた「静電気」については、接触や摩擦、あるいは剥離(引き離されること)というきっかけによって本来あるべき「電気的に中性な状態」へと戻ろうとします。

厳密には、マイナスに帯電しているもの(他者からマイナスを奪ってマイナスが増えたもの)から、プラスに帯電しているもの(他者にマイナスを奪われてプラスだけになっているもの)へと電気が流れ、このときに私たちはバチっと静電気を感じます。人の体はマイナスの電気を失いやすく、プラスに帯電しやすい傾向があるため、何かに触れたときにマイナスの電気が戻ってきて「うわっ!静電気が来た!」となるわけです。


冬に髪が静電気を帯びやすい理由は?

髪に限ったことではありませんが、冬場は静電気にストレスを感じる場面が少なくないと思います。せっかくセットした髪が静電気によって広がってしまったり、静電気があることによって髪がまとまりにくくなるというのは、髪をロングにしている女性なら誰しも感じた経験があるのではないでしょうか。先にも少しご紹介しましたが、バチっと静電気が走るのは、帯電してバランスを崩しているモノとモノとが「接触」したり、そのモノ同士の「摩擦」や「剥離」が生じたときです。

髪が長い女性であれば、セーターと髪が直接触れていたり、首に巻いたマフラーの布地と髪が擦れたりするのはごく自然に起こりますよね。気温が低くなって衣類を着込むようになる秋や冬については、このように物理的に静電気が走るきっかけが増えてくるため、どうしても静電気を感じることが多くなってしまいます。これに加えて、季節的に秋や冬は空気の乾燥も進みます。

空気が乾燥してくると頭皮や髪が水分を保持しにくくなり、私たちの肌や髪自体が帯電しやすくなってしまいます(マイナスの電気を失いやすくなります)。このようなことで、冬は特に静電気を感じる機会が増えてしまうのです。


髪に生じる静電気の対策!

加湿

髪に発生してしまう静電気の対策としては、物理的に静電気が生じにくい環境を作る方法と、直接的にヘアケアで対策を立てる方法とが考えられます。それぞれ少し掘り下げて考えてみましょう。


部屋の加湿を心掛ける

空気が乾燥すればするほど皮膚を覆う皮脂膜も失われやすくなっていき、お肌自体が帯電しやすくなってしまいます。頭髪についても空気が乾燥すればキューティクルがはがれ、静電気を帯びやすくなってしまいます。外にいるときに空気の乾燥をコントロールすることは難しいですが、室内に居るときは部屋を加湿し、皮膚や頭皮、髪の乾燥を進みにくくしましょう。

加湿によって空気中の水蒸気が増えれば自然放電が進み、マイナスやプラスに帯電したモノも電気的に中和していきます。湿度を高めることは、電気的に中和状態を作ることにも貢献しますので、結果的に静電気の発生が抑制されます。また、のどや鼻の粘膜もしっかりと機能しやすくなりますので、ウィルスをシャットアウトしやすくなるという点でもメリットがあります。


重ね着をしすぎない(もしくは同じ素材のものを着込む)

モノには「プラスに帯電しやすいモノ」と「マイナスに帯電しやすいモノ」とがあります。人の身体はマイナスを失ってプラスに帯電しやすい傾向があり、衣類ではたとえばポリエステルなどがマイナスに帯電しやすい性質があります。衣類を着込めば着込むほど逆方向に帯電しているモノ同士が擦れ合って、静電気が移動するリスクが高まります。

「必要以上に重ね着をしないこと」で、静電気の発生リスクは抑制できます。あるいは、「同じ素材のもので重ね着をすること」で、静電気の移動リスクは回避しやすくなります。寒くなってくると重ね着を避けるのは難しいケースもありますが、衣類の厚みや素材などをうまく選択し、なるべく静電気が発生しなくなるようにご対策ください。


ブラッシングの仕方に気を付ける

頭皮の血流を促すという意味において、髪のブラッシングは大いに有効です。しかしながら、髪が長い場合で頭皮から強引に毛先へとブラッシングしてしまうと、髪がひっかかりやすく、摩擦や静電気を生じる原因になってしまいます。ブラッシングをするときには、髪をいたわるようにまず毛先を梳かすところからスタートし、スムーズな流れを作りながら頭皮へと移っていくようにすると良いでしょう。

ヘアブラシ自体にも静電気の発生しやすいもの、発生しにくいものがありますので、髪の乾燥や静電気が気になる場合は少し高価なものを買い求めると良いでしょう。


洗浄力の強いシャンプーを避ける

各シャンプーには「界面活性剤」が含まれており、これが本来混ざり合わないはずの「水分」と「脂分」の絡まりをサポートしてくれます。このため、界面活性剤が作用するほど頭皮の皮脂はすっきりと洗い流されるわけですが、実際のところ一般的なシャンプーに使用されている界面活性剤は洗浄力が強すぎる傾向がございます。皮脂は保護膜のような形でバリア機能として貢献している部分もありますので、皮脂を奪いすぎることは良いことではないのです。

髪に良いと言われる天然由来のシャンプー剤は少し高価なものになってしまいますが、頭皮の乾燥や髪の健康を考えた場合、やはり刺激の少ないやさしいシャンプーを選んだ方が洗い上がりの良さをご実感いただけます。髪に静電気が生じて困っている場合は、シャンプーを変えて様子を見てみるのも一つの方法だと言えるでしょう。


コンディショナーやトリートメントなどで髪をしっかり保護する

髪にコンディショナーやトリートメントを使用していると、必要な油分が失われにくくなり、手触りや滑りも良くなります。髪が滑らかになると帯電しにくくなりますので、静電気を取り込んでしまうリスクを抑制できます。女性の場合、コンディショナーやトリートメントを使用しない人は少ないとは思いますが、たとえばシャンプーとリンスが合わさったもので済ませているような場合は、定期的にトリートメントなどをご活用いただくことで静電気の発生リスクを回避しやすくなります。


ドライヤーの当て方に注意する

入浴後など、ドライヤーを髪に当てる際には頭皮の方から当てていくことをおススメします。特にロングの場合は、相対的に毛先が乾燥しやすくなるため、長時間毛先にドライヤーが当たり過ぎないように気を付けましょう。毛先の水分が気になるケースがあるかもしれませんが、まずはタオルで挟むようにしてポンポンと水分を吸収してください。

このようにして頭皮の方からドライヤーを当てていけば、頭皮を乾かしている間に少しずつ毛先も乾いていきます。乾き足りない場合にさっとドライヤーを当てるようにし、あまり毛先が乾燥しすぎないように注意することがコツになります。


髪や頭皮の乾燥は、薄毛や抜け毛リスクにも…

毛

当コラムでは、静電気の発生メカニズムや静電気回避のための具体的な対策についてご紹介しました。静電気は「乾燥している条件下ほど発生しやすいこと」がお分かりいただけたと思いますが、実は静電気を帯びやすい「乾燥している髪」や「乾いた頭皮」は抜け毛や薄毛要因の一つにもなり得ます。「頭皮の乾燥」がもたらされる背景事情としては、血行不良やホルモンバランスの乱れ、栄養不足や加齢による影響などが考えられます。


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